「ほう……」 景虎が真っすぐな眼で僕の方を見てくる。 「すると、そなたはまさしく弥勒仏ではないか」 「はい、そのようですね……」 僕は言い訳しようとすると逆に失敗する身の危険を感じ、あえて認める事にした。恐ろしい眼で見てくる。これが軍神……毘沙門天…
春日山城、謁見の間にて……。 「天室光育か、久しいな……息災であったか?」 「ええ、この通り。虎千代も元気そうでなにより。それより私の顔を覚えておられますかな?」 「ははは、何、師の顔を忘れる事などある訳はない」 「そうかそうか」 景虎と天室光育は…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。