すふにん小説

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学校の課題(1)

 小説が上手くなりたい。ネットの小説投稿サイト等に「すふにん」というペンネームで投稿している僕は、どうやったら小説が上手くなれるかを模索していた。

 小説が上手くなるには、ただ書いて、書いて、書きまくるしかない。

 後はひたすら本を読むことだけだ。

 だがこれだけではどうしても物足りない。

 これ以上、自分でも何をどうしたらいいのかが分からない。だったらプロから学ぶのが一番の近道なのではないか…?

 そんな時に、心斎橋大学というネットの広告を見つけた。

 豊富な講師陣、プロに倣うというのがどういったものか、とても興味があった。

 ここは、自由に勉強させて貰える場所らしい。僕はすぐに創作・小説コースに申し込んだ。このコースに申し込んだのは、純粋に文章の上達の為だ。

 ネット小説投稿との掛け持ちをするのは大変かもしれないが、やりがいはあるのかもしれない。

 しかし、小説執筆というのは言ってみれば己との戦いだ。

 コンディションが悪ければ、良い小説というのは書けない。だからコンディションを最高までに持ってくる必要がある。

 だが、それが中々できない。私たちは生活というものがある。その生活をしている中でいかにして、小説を書く状態にまで持ってくるか。

 昼夜逆転してもいけないし、規則正しい生活をすることが大事だ。

 頭が疲れていても、良い内容は書けない。だからコツがあるとすれば頭を働かせないことだ。僕はいつも小説を書くときは頭をボーッとさせながら小説執筆を行う。

 考えながら書くよりも効率が上がるからだ。

 いわゆる文章を書くスピードが上がる。

 前記でも説明したが、私たちは生活がある。人との付き合いというのがある。だが、人付き合いをしながら小説を書くというのはある意味、至難の技だ。

 たとえば、付き合いでお酒なんか飲んだ日には、小説なんか書ける状態ではなくなる。

 つまり、友人とオフの日に気軽に遊ぶこともできないのだ。

 これを解決するには、一人の時間を増やすしかない訳だ。それも、できるだけ多く。

 様々なモノをリサーチし、研究することも大事だし、参考に本等もたくさん、読まなければならなくなる。

 これが小説家が、孤独だと言われる所以なのかもしれない。私たちは常に孤独との戦いに苛まれているのだ。

 前述した通り、これは己との戦いだ。

 健康にも十分、気を遣わなければならないし、留意しなければならない。

 心の状態が悪くても、良い小説は書けない。心のケアまでも気をつけなくてはならないのだ。もし、鬱っぽくでもなったりしたら、もう小説執筆はしばらく、諦めた方がいい。

 ここまでで、言いたいことは、私たちはつまり最高の状態でいつも小説執筆に望まなければならないのだ。

 それも、空いた時間は常に何かネタを探さなければならない。

 空いた時間に、少しでも、小説執筆を進めておくこと。一日数行書くだけでも大分違う。

 数行書いておくだけでもスラスラと書けることが、あるからだ。

 プロになるにはやはり、それくらいの犠牲は必要となるであろう。

 つまり、一人の時間を増やすこと。それもできるだけ多く、たくさん。これは小説を書く上での必須条件なのだ。

 大事なことだから二回も言っておいたのだが、小説を書くには、それが大事なのである。

 この間、増山先生が言われていた話の中で、小説家にはスタートという時期が遅めに設定されていても、大丈夫ということがある。

 これは、大変ありがたいことだ。デビューが遅くても流星の新人が誕生! なんてことが可能なのだ。

 だから、小説を書く暇がなくて休みたい時は休んでしまえば良い。人生を楽しむのだ。

 そして、書きたくなったら、ゆっくり腰を据えてまた書き出していけばいいのだ。

 一人の時間が非常に多く、他人との交流があまりない僕にとっては非常に感涙すべきことなのだ。

「しかし、お前も暇な奴だよな、一体、休日には何をしているんだ?」

「君には分からない苦労が、僕にはあるんだよ。他人には言えない話というのは本来、人にはたくさんあるものなんだ」

「ふーん、お前って変わっているな」

 これは前日、本当に久しぶりに会話した旧友とのセリフだ。僕には小説家になりたいという夢がある。いや、もしなれなかったとしても、文章の上達だけは今のうちに頑張りたい。それはいつしか、また何度でも、小説を書くというチャンスにさえ、恵まれることがあれば、いつでもチャレンジすることが可能だからだ。

「そうなのか? しかし、飲み会や合コンにも参加しないなんて、いくら何でも変わってるぞ」

 もしかしたら、その友人からは、お前は彼女も作らず、哀れなやつだよな、と思われているかもしれない。

 でも僕は、それでも良いのだ。僕は僕の道を歩む。それで今、僕は満足しているのだから……。

 それでも、マイペースは崩さずにやっていきたい。余裕がないと良い小説は書けないからだ。最高のコンディションに持ってくることができてこそ、僕は最高の小説が書けるのだから。